更新日:2023/09/15
他の関連資格との違いは?
介護予防運動指導員の目的
介護予防運動指導員の仕事内容は、利用者の状態に応じた介護予防プログラムを作成し、実施することです。介護予防プログラムの内容は、利用者の身体状況によって異なります。例えば、下半身の筋肉が衰えている高齢者に対しては歩行訓練を実施する必要があります。口腔機能が衰えているなら、誤飲を予防するための訓練が必要でしょう。栄養面に問題がある場合は、食生活の見直しや栄養指導を行います。そして、実際に行った介護予防プログラムについて、どの程度の効果があったのかを測定し、客観的に評価を下します。
介護予防運動指導員養成事業について
介護予防運動指導員養成事業とは、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに指定された事業所が行う、高齢者の介護予防に取り組む指導員の養成事業です。介護予防プログラムの理論や高齢者向けのトレーニングについて、指導員が講義・実習を行います。介護職や医療従事者、リハビリテーションの専門家などが受講対象です。
介護予防指導士との違い
では、他の関連資格との違いを具体的に見ていきましょう。介護予防運動指導員と混同しがちな資格としてまず挙げられるのが、「介護予防指導士」です。こちらは、介護予防に関する運動法を学べる資格です。日本介護予防協会が認定を行っている資格で、取得するためには所定のカリキュラムを受講する必要があります。カリキュラムは計21.5時間で、この点が介護予防運動指導員と大きく違います。また、受験資格にも差があります。介護予防運動指導員を取得する際は、実務経験が必要とされる場合があります。しかし、介護予防指導士は実務経験が問われません。この点を考慮すると、介護予防指導士は介護予防運動指導員よりも取得難易度が低いといえます。
機能訓練指導員との違い
次に、「機能訓練指導員」との違いを説明します。こちらは、利用者の心身の状態に応じた機能訓練を実施し、自立した生活を送れるように支援を行う専門職です。利用者の生活環境や身体機能を評価した上で、本人と家族の意向を尊重しつつ機能訓練を実施します。介護予防運動指導員と大きく違うのは、こちらはあくまで職種であり、資格ではないという点です。ただし、機能訓練指導員になるためには、理学療法士や作業療法士、看護師、柔道整復師などの資格を取得しなければなりません。なお、機能訓練指導員は介護施設だけでなく要介護者向けの医療施設でも働くことができます。介護予防運動指導員と同様に、高齢化が進む日本においては年々需要が伸びています。